アイドルヲタクがキンプリの応援上映に行った
4月4日。
わたしはシネ・リーブル池袋に居た。
KING OF PRISM Shiny Seven Stars 劇場編集版 第1章の応援上映を鑑賞するためだ。
一人では心細いので、応援上映玄人の友人に連れてきてもらった。
木曜日の夜である、仕事帰りと思われるわたしと同世代、、20代くらいの女性が観客の大半であった。
少しわたしについて書きたいと思う。
高校生の時に48グループにハマった。
第2回選抜総選挙で、大島優子が前田敦子を破り1位に、そしてヘビーローテーションというAKBを代表する有名な曲が生まれた年にわたしは48ヲタクとなった。
48グループがこれからの全盛期に向かってどんどん加速していっていた時代だったと思う。
当時名古屋に住んでいたわたしは、AKBではなくSKE48にハマり、名古屋市栄で行われている劇場公演にも足しげく通っていたし、CDを何枚も買って握手会にも行った。
当時の推しは、3期生の小木曽汐莉。
認知もされていた。
上京1年目の冬に、小木曽汐莉が卒業発表。
そこからも新たな推しを作って、時々握手会には参加していたが、そこに高校時代のようなアツさは無かったと思う。
わたしの心はどんどんアイドルから離れ、別の趣味へシフトしていった。
ところが今年2月、友人と行ったカラオケで、何故か突然「アイドルをもう一度応援したいな」と感じた。
友達が歌った曲(ちなみに全くアイドルソングではない)が、たまたまライブ映像が流れるもので、その中に映るファンが飛び跳ねて熱狂する様子に感化されたのだと思う。
そこからSKEの現在のメンバーを調べ、劇場公演に何度か足を運び、今では9期生の荒野姫楓がわたしの自慢の推しメンだ。
時を同じくして、わたしはアイドルの歴史や文化、しくみに興味を持った。
冬から会社を休職していて、図書館に通っていた中でたまたま「アイドル論の教科書」という本を読んだ。
元から、友人の好きなこと、ハマっていることについて話を聞くのが好きだったのもある。
また、周囲に、ジャニオタ・ヅカオタ・(小劇場系の)俳優オタク・(これを一括りにしていいのか悩むが)二次元に推しが居るオタク、、などなど様々なオタクが存在したことも有難かった。
わたしは、いろんな界隈の特殊な文化やルール、界隈によって違う推し方の違い、ファンの考え方の違いに興味を持った。
その中で、「推しとは何か、応援とは何かを語る上で、応援上映という新しい文化の体験は避けて通れないだろう」という考えに至り、応援上映の先駆者的存在(だとわたしは思っている)キンプリの応援上映を体験してみようと思ったのだ。
前置きが非常に長くなってしまった。
わたしは劇場に足を踏み入れた。
ど平日で、しかも公開からわりと期間が経ってしまっていたにも関わらず、劇場の半分くらいは埋まっていた。女性が多い。
皆、自前のキンブレを持ってきている。
キンブレはわたしも普段から使いまくっているので、色が変わらない赤・青・黄を一本ずつ、色可変可能なキンブレを一本持ってきていた。
記念写真を友人に撮ってもらうわたし。
赤・黄・青の信号機カラーはわたしの推し、荒野姫楓の推しサイカラーである。
はしゃいでいるように見えるが、実は若干緊張している。
当日まで知らなかったのだが、わたしが入場した回は、こちらも今をときめくジャンルであるヒプノシスマイクとのコラボ回だった。
お恥ずかしながら、わたしはヒプマイもみりしらだ。(池袋ディビジョンが山田三兄弟であることと、じゃくらい先生・どっぽ・ひふみ・乱数???というキャラクターがいることくらいしか知らない)
上映時間になった。
友達曰く、他の映画の予告編やおなじみ映画泥棒の映像は、本編の準備運動らしい。
振り回されるパトランプカラーの赤サイと、「押すなよ!」の掛け声に動揺するわたし。
この後起こることに比べれば全然序の口だった。
敢えてこのブログには、映画の詳細な感想は載せない。
それを書き始めると、たぶん永遠にこのブログはアップできないからだ。
このブログはあくまで、「応援上映」というものの感想として書いていきたいと思っている。
代わりに、わたしが軽い気持ちでハッシュタグ“キンプリみたよ”でツイートしたところ、想像を遙かに超えたリツイート数をいただいた、感想ツイートを載せたいと思う。
なんでこのアカウントで書くんだ?って感じなんですけど、想像以上にここのフォロワーさんにプリズムの煌めきを浴びてる方が多かったので、キンプリミリしらが初めて応援上映に行った感想です。画像3枚です。
— しょーこ💐🎀 (@show332) 2019年4月8日
思い出した順で書いたので時系列ばらばらです。#キンプリみたよ pic.twitter.com/gfaVOOTZjm
わたしとしては、上述のように、ヒプマイヲタクと見受けられるお姉さん2人が隣の席に座って居てくれたことが大変ありがたかった。
わたし、ヒプマイお姉さんその1、ヒプマイお姉さんその2、3人はキンプリも、応援上映自体も初体験でここに居て、いろんなことへの反応が3人とも一緒で、「あぁ、わたしのこの感情、この反応は間違ったものではないのだな・・・」と感じることができた。
ヒプマイお姉さん(おそらく山田三郎が好き)のお二人に届くかはわからないが、この場でお礼を言いたい。
一緒に観れて楽しかったです。
ということで、ちゃっかりプリズムの煌めきを浴びないと生きられない身体になってしまったわたしは、第2章も同じ友人に連れられ観に行った。
>>>新宿バルト9はさらにすごかった<<<
第2章についても、映画自体の感想はツイートをもって引用させていただく。
キンプリミリしらが先週初めて応援上映に行って、楽しかったから2章も見てきた感想。画像4枚です。思い出した順で書き殴ったので時系列たぶんバラバラです。
— しょーこ💐🎀 (@show332) 2019年4月10日
好きなシーンは天然ガスの噴出と、カツオの大群です。#キンプリみたよ pic.twitter.com/VvlH20XRHQ
新宿はさらにすごかったと書いたが、何がすごかったかというと、観客の一体感である。
それは会議か何かで決まっているのですか???というくらい、観客のサイリウムカラーはシーンによって統一されている。
ツイートにも書いたが、白いサイリウムで水槽を泳ぐ魚を表現し出した時は正気かよと思った。(褒めている)
それから、わたしがもうほぼ推しなのに未だ推しと認めるのがこっぱずかしい十王院カケルが、マダガスカルで見た夕闇をキンブレで表現するのはなんだか最早一種のアートだった、感動した。
そして、何よりも驚いたのは、上演後、劇場が明るくなってからのことである。
少々のホーッという、映画が終わった後独特の溜息みたいなものが落ち着いた後、どこからともなく「皆さんお疲れ様でしたー!」という声が聞こえてくる。
\お疲れ様でしたー!/と口々に返す観客たち。
「皆さん明日もよろしくお願いしまーす!」(???)
\よろしくお願いしまーす/(?????)
「明日からも仕事がんばりましょうね〜!」
\がんばりましょ〜!!!/
別に知り合い同士が内輪で話しているというわけではない。
劇場全体で、知らない観客が労いの言葉を叫び、知らない観客達がそれに答えるのだ。
なんて素敵な光景だろう。
わたしは、「応援上映」と聞いて、上手い言葉がなかなか見つからないが・・・もっと個々人が好き勝手に推しの名前を叫んだり、推しのサイリウムカラーを振ったりして、応援するものだと思っていた。
わたしがいつも行っている現場がそうだからだ。
もちろん、掛け声(mixと呼ばれる、有名な、タイガーファイヤーサイバーファイバー、、というやつ)を合わせたり、メンバーの誕生日には生誕祭といってそのメンバーのカラーでサイリウムカラーを統一したりするが、基本的には、自分の推しのパートで推しの名前をコールして、推し自身が決めた推しサイカラーを振ってわたしはあなたの推しだよとアピールする。(※推しサイカラーについては、あくまでもSKE48の文化であり、アイドル現場全体の文化というわけではない)
上映中の応援も、歌を歌ったり踊ったりするシーンで、歓声を上げたり拍手をするくらいだと思っていた。
それが、蓋を開けてみれば、本編中のツッコミどころは観客が全部教えてくれた。(例えば、第1章の「いつまで玉子持ってんのー」など、、)
劇場に居る全員で、同じ作品を観て、ツッコミたいところでツッコんで、笑いたいところで笑って、楽曲になったらペンライトを振って。そして終了後には「お疲れ様でした」と言い合う、「エーデルローズとわたし」ではなく「エーデルローズとここに居る私“たち”」で楽しむものだった。
第1章、2章と観終わって、しばらく経ってから思ったことは、「金曜ロードショーをTwitter民と観てる感覚に近いな」と思った。
TSUTAYAに行けばレンタルできる、なんならAmazonプライムで配信している映画を、何故残業を切り上げてまで急いで家に帰ってリアタイするのか。
もちろん、その作品が好きで、視聴率を上げたいとか、作品が好きだからこそテレビでも見たいとか、いろいろ理由はあるかもしれないが、わたしは、金曜ロードショーの際のTwitterタイムラインがその映画の感想で埋まる光景が好きだ。
今まで1人、もしくは友達とだけで観ていた映画を、名前も知らない大勢のどこかの誰かと、同じ時に同じシーンを観て、「バルス!!!」と叫ぶことができる。
あの一体感は、どんなにオンデマンド配信だとか、好きな時に好きな作品を観られる手段が発達しても、無くして欲しくないなぁと思う。
「応援上映」を実際に体験してみるまで、わたしは正直、「別に推しがその場に居るわけじゃないのに」「声を上げて叫んだところで推しに届くわけじゃないのに」と思っていた。
同じ空間に推しが居て、うちわやコールで「あなたのことを応援してるよ」とアピールできる、アイドルヲタクならではの疑問かもしれない。
でも、キンプリファンの皆さんは別に推しに気付いて欲しくて、推しに応援を届けたくて声を上げているわけじゃないのかなぁと思った。
みんなで同じ色のペンライトを振って、エイデルローズのメンバーの名前をみんなで叫ぶことによって味わえる一体感をみんなで作り上げる。
それは決して、自分の自己顕示欲だとか、愛の一方的な押し付けなんかじゃない。
劇場の、あの、行ってみないとわからない一体感こそが、「応援上映」の一番の魅力なんだろうなぁとわたしは思う。
<補足>
ここに書いた「応援上映」については、あくまでKING OF PRISM Shiny Seven Starsを観た上での感想であり、他の作品の「応援上映」にはまた違った文化があるかもしれない。
今後他の作品の応援上映を体験することができたら、それを踏まえてまた考察し、ブログを書きたいと考えている。
最後に、本日4月24日、Shiny Seven Stars!/366LOVEダイアリー、発売おめでとう。
タワレコ新宿いきました。
<さらに補足>
このブログ記事を書いた後に、第3章観てきました。
レオくんのことは、一人のプリズムスターとして本気で推しだなと思いました・・・
人間として普通に好き。。。
レオくんが踊ってるときは、なんかもう泣きながら「うん、うん」ってうなずいて観てました。
第4章も楽しみです。
やっぱりSHOWROOMが凄い!-ネット手売り-
自分としても突然SHOWROOMのことを持ち上げすぎていて、わたしはSHOWROOMの運営関係者か何かなのだろうかと錯覚するが、あいにくこういった記事を書くことによって、何か対価を得ているわけではない。
それでもわたしはどうしても、SHOWROOMというツールの新しいしくみ作りを絶賛したくなってしまうのだ。
4月17日から、ラストアイドルグループの6thシングル「大人サバイバー」が発売されている。
暫定メンバー7人をオーディションで選んだ上で、テレビ番組上でチャレンジャーと呼ばれる新たな女の子を登場させ、暫定メンバーから一人を指名、パフォーマンスで戦わせるという今までにない酷なシステムが話題となった、テレビ番組から生まれたアイドルグループである。
といっても、戦いの末破れてしまったメンバーも含めて、「ラストアイドル ファミリー」として現在は52名で活動をしているらしい。
わたしは、そういったテレビ番組があるのだなぁくらいには認識していたものの、メンバーやリリースされた楽曲については無知の中の無知だった。
しかし、先日のブログに書いたような「30秒星集め」で、ラストアイドル 2期生アンダー(※2期生を決めるバトルに破れたメンバー)の高橋美海ちゃんを見つけた。
彼女もまた、星集めのための30秒で見事にわたしの心を掴み、わたしにとって気になる存在となっていた。
そんな中、ラストアイドルの最新CD「大人サバイバー」が、SHOWROOMの配信ルーム内で発売されることを知る。
そのしくみはいたってシンプルだった。
メンバーそれぞれの配信が始まるとルーム内に通販サイトの買い物かご(カート)のようなマークが表示される。
そのマークをタップすると、CDのどのタイプを購入するか選ぶことができ、次に住所、氏名、クレジットカード番号を入力する。
購入が完了すると、メンバーの配信画面に買い物袋のマークが飛ばされる。
これでメンバーは、自分のルームからCDが購入されたことがわかるのだ。
さらにメンバーの画面には、誰が何を購入したかもわかるようになっている。
わたしのラスアイ推しメンとなった高橋美海ちゃんは、CDを購入してくれた人の名前をホワイトボードに記入し、「購入ありがとう!たくさん聴いてね」と掲げてくれる。
それをわたしは必死にスクショする。
自分の名前を、メンバーが書いてくれて、配信で掲げてくれるというのはやっぱり嬉しい。
これはアイドルヲタクならではの幸せなのだろうか。
わたしの名前をホワイトボードに掲げてくれる高橋美海ちゃん。(2019年4月16日)
アイドルオブアイドルと言っても過言ではないほど、可愛くて優しい子である。
メンバーの配信画面には「現在(その配信での)販売個数」も表示される。
SHOWROOM内での販売実績が、握手券販売枚数のように、彼女らの今後の活動やグループ内での序列にどの程度影響があるのかわからないが、やはりヲタクたるもの、推しのルームの販売個数は少しでも増やしてあげたいと思うのが自然な流れではないだろうか。
実際、CDが購入されるとメンバーはとても喜んでくれる。
自分がCDを購入したことへのリアルタイムの反応を見ることができる。
それが嬉しくて、毎日の配信で、何人ものメンバーから、同じCDを買ってしまう・・・というツイートも見かけた。
なお、そのCDには48グループの全握券のようなものは入っていないから、同じCDをたくさん買ったところで、フォトカードがたくさん集まるか、抽選応募制のプレミアムライブの応募券がたくさん集まるか、くらいだ。
わたしも「別にラストアイドルのCDを購入するつもりなんてなかったけど、楽曲も聴いてみたいし、どうせ買うなら美海ちゃんのルームで!」と思い、高橋美海ちゃんの配信ルームで1枚CDを購入した。
送料が冗談みたいに高かったが、推しが自分の名前を呼んでくれる書いてくれる、ありがとうと言ってくれる、販売個数が増えることを考えたら別にいいかなと思えた。
数日後、CDは佐川急便で送られてきた。
別に通販サイトと同じ原理なのだから何も不思議なことはないのだが、SHOWROOMという虚構の世界で購入したものが、実際に佐川のお兄さんによって運ばれてくるのは変な感じがした。
お店やさんごっこで買ったものが、本当に届いてしまったみたいだ。
SHOWROOMは、十数年前には無かった「生配信」というしくみを使って、アイドルがリアルタイムに自由におしゃべりをしたり、歌を歌ったりできる、まったく新しいツールだと思っていた。
その配信内で、CDを買えるというのも「新しいなぁ〜」と思っていた。
でも結局これは、はるか彼方昔からある、アイドルによる「CD手売り」の文化と一緒だ。
アイドルが街中に設置された長机で一人一人のファンと向き合いCDを直接売る、手渡しする。
そんなことが、今ネットの中で再び起こっている。
大所帯のグループアイドルが流行し、ファン達はそれぞれ「推し」を作るようになった。
(「推し」という言葉こそ、AKB48のブームから広まった言葉のように思うが、「推しメンを一人選んで応援する」という文化はもっと以前から存在していたと思う。)
推したからには、そのメンバーが他の子よりも注目されてほしいし、売れてほしい。
その子に需要があることがわかれば、その子のグッズが増えるかもしれないし、コンサートやテレビ番組への出演機会も多くなるかもしれない。
その為に私たちは推しを応援する。
SHOWROOMの登場により、私達はまた新たに「推し」を応援するツールを持った。
SHOWROOMの物販機能はこれからも様々な活用用途を生み出すことができるように思う。
音楽業界は、これまでCDやDVDなどの「パッケージ」で収益を生み出してきたが、それは現在直接会える機会(全国各地でのコンサートや握手会など)である興行にシフトしてきている。
直接会う、ではないが、ここにSHOWROOMを加えることはできないだろうか?
リアルタイムで推しの顔を見られて、自分の購入によって推しが喜んでくれる姿は新たなモノの売り方だと私は思う。
応援文化-SHOWROOMにハマった-
4月1日から、SKE48 9期生によるSHOWROOMが始まった。
わたしがかつてヲタクだった頃は、SHOWROOMという文化がまだ無い頃だったから、当初はやり方が全然わからず困惑した。
一時期友人が、秋葉原のナンバーワンを決める的なイベントに参加したことがあり、その時配信を見てコメントすることはあったものの、星投げなどはよくわからず、そこからまったく手をつけていなかった。
48GがSHOWROOMの利用を始めたことも知っていたが、「わたしはブログを読んで、公演に行ければそれでいいかなぁ〜」と、自分には縁遠いものだと思っていた。
そんなわたしが、利用開始からわずか2週間で、SHOWROOMの視聴に完全にハマってしまった。
4月1日の配信は何も出来ずに終わった。
画面右下の黄色い星が底を尽きたあと、ブッという音が鳴って、そこからどうしたらいいのかまったくわからなかった。
コメントは少しだけ送った。
最後にわたしの推し(ひめたん)が「壇上読みますね〜」と言って、13位から1位の人の名前を読み上げ、「ありがとうございます!」と言ってくれる。
壇上ってなんだ???
成すすべもなく終わってしまった初めてのSHOWROOMの後、「壇上」というものが何かはわからないけど、わたしもひめたんに名前を呼んでもらいたい!という思いが強く湧いた。
配信が終わると、LINEで繋がっているひめらー(ひめたんファン)の皆さんからSHOWROOMのレクチャーを受けた。
・星(応援アイテム)は、他の配信者のルームを30秒見ること、他の配信者のルームから「◯◯さんが配信中‼︎!」というツイートを自分のツイッターから呟くことの2つの方法で、手に入れることができる。
・星は各色99個×5色まで貯めることができる。
・貯めた星を推しの配信中に投げると、推しへの応援になる。
・応援アイテムは、星以外にもあるが課金制。約1円のもの(だるま)から約10,000円のもの(タワー)まで様々ある。
・推しの配信中に、どれだけ応援アイテムを投げたか+コメントをしたかでランキングとなり、上位の人は、画面上でどんどん上に行くことができる。(上位13位が壇上と呼ばれる、いわゆる最前列の場所に行くことができる)
コメントは50個までしかランキングに関係ないとか、星集めのシビアさみたいな細かい部分には触れていないが、ざっとこんなルールであった。
・・・・・
その後、翌日4月2日の配信まで、自分でもいろいろ調べた。
具体的には星3周のやり方である。
配信前の準備と、配信が始まってからいかに星投げをスムーズに行えるかによって、推しの配信中に星3周(各色99個×5色×3周)を投げることが可能なのだ。
しかし、その配信前の準備と、配信中の作業がコツが必要で、どきどきしながら4月2日を待った。
結果、4月2日の配信は、数百円だけ課金アイテムも使って、9位!
何もできなかった初配信から1日で壇上に上がることができた!!!
壇上に上がったからと言って、特別なことは推しに「◯位は何々さん!」と呼んでもらえるだけ。(※4月14日の配信から、ひめたんは1位の人の名前をホワイトボードに書いて掲げるということをやるそうだが)
推しに名前を呼ばれたかったら、握手会に行けばいくらでも呼んでもらえる。
だからわたしにはSHOWROOMで頑張って、上位に行くことの良さがあまりわかってなかった。
しかし、これは楽しい!と思った。
握手会はお金を払ってCDを買えばいいだけだが、SHOWROOMは星を集めるという行動も必要だ。
推しのために時間を使って、行動ができる。
それによって、推しに名前を呼んでもらえる。
自分の「推しを応援したい」という欲望が満たされるいいコンテンツだなと感じた。
(これは、いわゆるP4UのCM選抜決定イベントも同じかもしれない)
しかし、SHOWROOMの旨味、考えられているなぁと感じる部分はこれだけではなかった。
・・・・・
推しであるひめたんの要望で、数日後、わたしはSHOWROOMになるべく課金をしないことに決めた。
ひめたん曰く、「ギフト(有料応援アイテム)も嬉しいけど、だったら握手とか公演とか実際に会える場所に使ってほしい」とのことだった。
おそらくそちらの売り上げの方が、ひめたんのグループ内での序列にも影響するのだと思う。
課金をしないということは、先述の星3周を目指さねばいけないわけで、必然的にわたしは、いろんなルームの配信を30秒間見続けることになった。
この、無料の星集めの為に、興味の無い人物の配信を30秒見なくてはならない、というのがSHOWROOMの実によく出来たところだ。
30秒見ていくうちに、わたしは今まで縁もゆかりもなかったアイドルグループの女の子を気がついたら新たに4人もフォローしていた。
加えて、俳優?モデル?を目指している大学4年生男子までフォローした。(わたしをよく知る人が見たら、これがいかに凄いことなのかがわかる。それくらい、わたしは男性に興味がない)
正直、48Gは増えすぎていて、SKE、ぎりぎりAKB、各グループのスタートメンバーくらいしかメンバーを把握できていなくて、坂道、イコラブ?、ラスアイ?に関してはミリしらもいいところなのだ。
だから、どんなに可愛くてわたしが好きそうな女の子が所属していたとしても、わたしは出会いようがない。
正直、ひめたんもSKEに入ってくれたから出会えたし、好きになれた。
SHOWROOMを通して、4人も魅力的な女の子と出会えたことは奇跡的なのである。
それくらい、現在この世界には星の数ほどのアイドルがいる。
SHOWROOMの星集めの為の30秒は出会いのきっかけなのだ。
・・・・・
もうひとつ、わたしが印象に残ったことがある。
先ほど、ありえないこととして書いたわたしが初めてフォローした男性配信者である。
彼のルームへも、星集めの30秒のためだけに訪れ、30秒後には抜けるつもりだった。
しかし、30秒間で、彼は「この人を応援したいな」と思わせる力を持っていた。
正確には、彼と、彼のルームのリスナーが、だ。
まず、彼は頻繁に視聴者の数を読み上げ、「◯◯◯人の方々、見てくださってありがとうございます!」と感謝を伝えていた。
SHOWROOMは、どこから出てきたんだ?というくらい大量のリスナーが見ている。
例えば、わたしの推しのひめたんは大抵2000人〜4000人近い。
そうなってくると、自分は有象無象の中の1つみたいな気持ちになる。
だが、彼はこうやって見てくれている人数を読み上げる、しかも頻繁に。
人数が増えるとすごく喜んでくれる。
そのことで、「自分が見ていることが、彼の元気になっているのだな」と感じられて、視聴を続けたくなる。
また、彼はコメントをほぼ全部拾って読んでくれていた。
今まで48Gの配信ばかり見ていたから、無料の星投げやカウント(50個コメントを送ること)は当たり前のことなんだと思っていたし、実際、メンバー達は有料ギフトを送ったときくらいでしか名指しで「ありがとう」とは言ってくれない。
それが当たり前だと思うし、いけないことだとは思わない。
だが、彼は星1周(99個×5色)を投げただけ、50カウントしただけでも心からのお礼を名指しで述べてくれる。
また、わたしが驚いたのは、彼本人だけでなく、そのルームにいる彼のファンまでも「◯◯さん、50カウントありがとうございます!」などとお礼のコメントをしてくれるのだ。
誰だこいつ、見たことない名前だな!初見のくせに!とか言われないんだ、、と感動した。(わたしがひねくれているのかもしれない)
SHOROOMにはイベントというものが頻繁に開催されていて、応援アイテム(星・ギフト)とコメントでポイントが付き、その上位がアバターが作れる、広告に出られる、舞台に立てる、など様々開催されている。
彼はそのイベントに参加中で、1位に入れるか入れないかの瀬戸際だったので、ファンとしてはわたしのような一見でも、ありがたいと思ってくれるんだと思う。
そんな彼と彼のリスナーの温かさに触れ、イベントでぜひとも1位を取ってほしいと思い、そこからわたしは彼をフォローし、時間が許す限り配信を聞いて、星投げやカウントをしている。
・・・・・
今日のブログのタイトルは、「応援文化」とした。
わたしは、実際にSHOWROOMを本格的にやってみるまで、SHOWROOMは苦手だろうなと漠然と思っていた。
例として的確かどうかはわからないが、東京ディズニーリゾートで貰えるバースデーシール。
あのシールを付けてパレードを見ているときの気持ちに似ている。
バースデーシールを付けてパレードを見ていると、時々キャラクターやダンサーさんがシールに気付いて、「お誕生日おめでとう!」と声をかけてくれたり、手を叩いてお祝いする仕草をしてくれる。
その経験はとても嬉しいのだが、一度そういう体験をしてしまうと、翌年から「バースデーシールを付けていることに気付いてもらえるかどうか」が気になって、ドキドキしてしまって、パレードそのものを楽しめなくなってしまった。
こちらとしては、そのシールを貼っているから、図々しくもお祝いしてもらえる期待をしている。
逆に、そこでシールに気付かれず誰にもお祝いしてもらえなかったら、がっかりしてしまう。
そのがっかりはとても怖い。
反応厨め!と言われてしまうかもしれないが、人間、一度経験した幸せは二度目もあることを期待してしまう。
SHOWROOMもわたしは同じことが起きる予感がしていた。
コメントを読み上げてもらえたら嬉しいけれど、自分のコメントが全然読まれず、推しが他のヲタクとばかり楽しくおしゃべりしていたら・・・他のヲタクの名前ばかり呼んでいたら・・・そう思うと、「推しと一部のヲタクだけが楽しい配信を見せられるのなんてやだ」と思い、嫉妬深いわたしSHOWROOMは合わないと思っていた。
確かにSHOWROOMにはそういう側面もあった。
しかしそれ以上に、「推しとファンが団結して盛り上がれること」「偶然の魅力的な配信者との出逢い」を生み出すしくみがあって、「応援すること」が大好きなヲタクという人種にはとても親和性の高いツールだった。
ヲタクは、「推しに課金すること」も大好きだからSHOWROOM側にもメリットはあるし、配信者は配信者で熱心なファンを獲得することができるし、SHOWROOMが生み出す新たな出逢いによってファンも増えそうだ。
・・・・・
余談だが、わたしの住む地域で選挙が行われている。
先日、「本人」と書かれた旗を掲げて歩く候補者とすれ違ったので、「寒いけど頑張ってくださいね」と声をかけた。
候補者は、曖昧にへらっと笑うだけだった。
えっ!?それだけ???と思ってしまった。
推し事を通じて、わたしは「応援すること」に慣れすぎた。
こちとら、アイドルや配信者さん達の神レスをいつも受けているのだ。
政治家も一度、SHOWROOMをやってみたらいいのに。
“カワイイ”はもはや女の子のものだけじゃない
フォロワー18万人の可愛すぎる男子高校生「メイクはするけど女装はしない、ただ可愛くなりたいだけ」(オリコン) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190412-00000307-oric-ent
「カワイイ」って言葉はもう、性別上女性のためだけの言葉じゃなくて、「優しい」とか「さわやか」みたいに性別関係なく使える形容詞になったのだと思う。
本(先日の記事に書いたアイドル論の教科書)を読んでいたら、「かわいい」は、昔あまり良い意味で使われていなかったというか、松田聖子に対して言う「かわいこぶりっこ」みたいに、女子から女子への皮肉も込めた言葉だったとか。
それが2000年代に入って、「カワイイ」が一つのジャンル、魅力として確立されて、純粋な褒め言葉になったそうな。
考えてみればきっとここから、女の子に対してだけ使う言葉ではなくなっていて、それまで「かわいい」に含まれていた「女の子らしい」みたいな要素が薄れていって、 日本人がイメージする「カワイイ」が共通認識としてできて、女の子という存在から独立したんだろう。
今、やたらとLGBTという言葉が取り上げられていて、多様性の尊重だなんだと叫ばれている。
しかし、そうは言っても今回引用した記事のように、
可愛くなりたい=女の子(みたい)になりたい
とか、
女性だけど女性が好き=男性として生まれたかった
みたいな、ステレオタイプな考えにしか世間は至っていない。
だから、恋愛対象は男性なの?女性なの?という質問が生まれる。
それによってゲイとか、アセクシャルとか、呼び名が変わるからこういう質問が出るのだと思う。
たぶん彼ら(彼女ら)にとっては、恋愛対象がどっちの性別か、なんてどうでもよくて、なんで毎回毎回この質問してくんの?と感じていることだろう。
私が最近応援している第31回ジュノンスーパーボーイコンテストで入賞した、井手上漠くん(彼も美意識が高くて実に可愛らしい男子高校生)がテレビ番組の取材でこんなことを言っていた。
「(恋愛をしたことがないから、恋愛対象が男性か女性か)わたしも分からなくて…でも、わたしは性別じゃなくて人柄で惚れると思います」
こんな当たり前のことを、私たちは高校生の漠くんに教えられる。
私とアイドル。
塚田修一・松田聡平『アイドル論の教科書』(青弓社、2016年)を読んでいる。
通っていた大学の図書館の蔵書検索で「キーワード検索:アイドル」と入れてこの本を見つけた。
これが非常に面白い。
まだ、塚田氏の書かれた「文系篇」という項目しか読めていないのだが、社会学的な視点から、アイドルとファンの関係性、アイドルグループによる時間の捉え方の違い、アイドルの歴史などが論じられている。
特に、女性アイドルの男性ファンは“疑似恋愛”という言葉で表現されるような、「所有」への欲望が前提になっていて、48グループの握手会は「接触」や「認知」によってまさにその欲望を満たすものだったが、男性アイドルの女性ファンは、男性アイドルグループの「グループ性」=「メンバーの関係性」を消費していて、メンバー同士の「絡み」や「わちゃわちゃ」が大好きで、それこそ最大の「萌え」なのだ、という記載が大変興味深かった。
そしてその志向は、女性アイドルの女性ファンにも見て取れる、近年は男性ファンにも転移しつつあるとのことだ。(例として、NMB48の山本彩と渡辺美優紀の「さやみる」が挙げられている)
私はどうだろうか。
唐突にこんなことを言い出して意味不明だなぁと自分でも思うが、私は上記の文章を読むずっとずっと前から「関係性オタク」を自称していた。
アニメや漫画で、2人以上のキャラクター間に生じる「関係性」に激しく萌える。
特に好きな「関係性」タイプもあるがそれを語り出してしまうと、アイドルとは全く別の方向に行ってしまうので割愛する。
とにかく、塚田氏の書かれた「絡み」や「わちゃわちゃ」に関する文章は、えっ、この本私が執筆したっけ?というくらい私の考えと一致した。
しかし、果たして私は女性アイドルに対しても「関係性オタク」なのだろうか?
過去に私が推してきた小木曽汐莉はゆっこ(木下有希子)やゆりあ(木崎ゆりあ)とコンビみたいなところがあったし(この頃って、コンビ名みたいなものってありましたっけ)、二村春香も古畑奈和ちゃんや宮前杏美ちゃんと仲良しだった。
と、いうことは把握しているが、二次元で私が関係性オタクやっているように、推しと誰かとのペアで大好き!ということは無かったなぁと当時を振り返って思う。
そして、現在の推しの荒野姫楓。もう、なんというか、今までの比じゃない。
彼女は同じ9期の池田楓ちゃんが大好きで、自分自身で「ひめかえで」というコンビ名を作り、自ら「池田楓のTO」を名乗っている。
それをかえにゃん(池田楓)がなんともまぁめんどくさそうに受け入れてあげているのが可愛いなぁ、推せるなぁ、とは思ってはいるのだが、私の関係性オタクセンサーがビビッとくるほど、このひめかえでコンビも「大好き!」というわけではない。
私は、アイドルの推しに対しては、「関係性オタク」してないのだ。
今でこそかえにゃんのひめたん(荒野姫楓)へのあしらい方がわかったから、そんなことは思わないが、当初私はあまりにひめたんがかえにゃんを好き好き言うので若干かえにゃんに嫉妬していた。
自分の「好き」の方が、きっと、上回っているのに、と思っていた。
・・・・・
私は「好き」と思ったものに対して「好き」を表現することが好きだ。
元々私は、ディズニーのハロウイーンイベントで仮装をする“Dハロ仮装民”だったのだが(今もそう)、素敵だ!と思う仮装の方が居たらツイッターでも「FF外から失礼します!」と言って好きですという旨のリプを送ったし、東京ディズニーリゾートのパーク内でも積極的にお声掛けする。
素敵ですね、好きですね、という言葉は本人に伝えないといくら想っても伝わらないし、私がその言葉を伝えたことでご本人が少しでも「この衣装作って良かったな」とか「このキャラクターだってわかってもらえて嬉しいな」とか思ってくださったらいいなと思う。
「好き」と伝えられて嫌な気持ちになる人はいないはず、というのが私の考えだ。
こんな、若干愛が重い私なので(この点はたぶんひめたんに通じるものがある)、「アイドルを推す」ということはぴったりの趣味だった。
「好き」を伝えたら伝えただけ、アイドルは喜んでくれるし、応えてくれる。
私のことを覚えて(認知)してくれたり、公演でレスをくれたりお見送りで反応してくれたり、私が送った質問にブログで答えたりしてくれる。
私ももっともっと「好き」を表現(=握手券をたくさん買ったり、公演に入ったり)したくなる。
友人や恋人に向けたとするとだいぶ重くてメンヘラちっくな私の「好き」は、アイドルに向けるには都合が良かった。
しかし、メンバー同士のイチャイチャ(=わちゃわちゃ?)を見ると、アイドルと私の間に存在する絶対に絶対に超えられない違い、バリアみたいなものを強く感じる。
推しにとって、ステージ上でイチャイチャしているメンバーみたいな存在に私は一生なれない。
どんなにお金を費やしても。どんなに時間を犠牲にしても。
だからこそ、私は、このアイドル現場においては「アイドルであるメンバーとファンである自分」という関係性に重きを置いているのだろうなと思う。
あくまでも「私はファン」であって、「ファンだからこそできる応援の仕方」が好きだ。
メンバー同士ならきっと推しと仲良くはなれるし、LINEとかも交換できるし、四六時中一緒に居られるけど、私達ファンのように握手券を買ったりだとか、公演にお金を払って入ることはできない。
それはファンにだけ許されている、「好き」の表現の仕方だ。
と言っても実際のところ、同じステージに立っている、ひめたんにくっつかれているメンバーを見て嫉妬しているのだから、結局上記は私が自分自身を納得させるための言い訳なのかもしれない。
・・・・・
先日、AKB48の本田そらちゃんの生誕祭に入った時に、お隣に居た女性ファンの方がそらちゃんのスピーチを聞いて涙し、うん、うんとたくさん頷いていた。
その方のことはなんにも知らないし、言ってしまえば本田そらちゃんのこともその2日前に覚えたような私だったが、その女性ファンの方に対して、「良かったなぁ」と思った。ジーンとした。
私達ファンは、推しの人生の「アイドル」という期間だけに登場する、名も無いモブだ。
でも、私達にとって推しは唯一無二の存在で、自分の時間やお金を費やしている。
いつだって、推しの幸せを考えている。
私達の人生において、自分の存在がどのくらいのパーセンテージを占めているのか推しは知らない。
でもこの一生叶わない、一生変わらない、一生伝わることのない関係性こそ、私がアイドル現場で一番推している関係性タイプなのだろう。
塚田さんの「アイドル論」の研究に、女性ファンでこんなことを考えている奴もいるという事例がいつか加わるといいなと思う。
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<2019.3.25 15:40 追記>
そうだそうだ、懐かしい。
48Gミリしらの友人をAKB48劇場に連れて行った話。
2月。
突然48グループのヲタクとして出戻りした私を、周囲の友人は温かく、むしろ好意的に見守ってくれていた。
大学時代の友人達は、私が元々SKE48のファンだったことはよく知っていて(総選挙のモバイル票の協力を皆快く引き受けてくれたし、2013年1月に小木曽汐莉が卒業を発表した時は、誰もが心配してくれた)、「好きなものを追いかけているしょうこは楽しそうだ、良かった」と言ってくれた。(本当に私の周囲は優しい人が多いのだ)
私は惜しみなく、新たな推し(SKE48 9期研究生 荒野姫楓)の魅力を大学時代から利用しているTwitterアカウントから発信したし、友人達も荒野姫楓の名前を覚えてくれた(と思う)
そんな私の熱狂的な“好き”の発信を見て、とある友人(正確には、卒業後も仲良くしてくださっている大学時代のサークルの先輩)がこんなことをツイートしてくれたのである。
「20代のうちにアイドルのコンサート、舞台に1度は行ってみたい」
これに私が反応しないわけがなかった。
すぐさま先輩に連絡をした。
その先輩(以下、Nさんとする)は、ライブハウスなんかでやっているバンドのライブにはよく行かれるがアイドルのコンサートには参加したことがないという。
そんな中、でんぱ組はお好きで、かつてでんぱ組の初武道館が決まった時チケットは取れたものの、当時勤めていた会社が休みを許可してくれず参戦することができなかったそうだ。
聞けば、以前お会いした時にSKE48の文化(後述する推しサイ文化などについて)を熱く語ったところ少し興味を持ってくださり、9期生のブログをチラ読みしてくれていたらしい。(めちゃくちゃ優しい・・・!)
本来ならば栄の劇場にお連れしたいところだが、私達は関東に住んでいる為、必然的にAKB48劇場に行きましょう、ということになった。
Nさんと私のスケジュールをすり合わせたところ、3/10 17:00~のパジャマドライブ公演に応募してみることにした。
後々この公演はAKB48研究生の本田そらちゃんの生誕祭となることが決まり、やや不安はあったが、無事女性枠で当選することができた。
<劇場公演に行く前にNさんが驚いたこと>
・女性のチケット代が1,100円(※研究生公演の場合)
「えっ安い…びっくりした……」
このチケット代にすっかり慣れきっていた私は、「確かに、安いよな」と改めて思った。
男性は2,100円です、と伝えたところ、男女差があることにも驚かれた。
言われてみればなんでこんな街コンみたいな制度なのだろう。
しかしまぁ、私は女性なのでこのチケット料金体系であり続ける限りいくつになっても1,100円だ、ありがたい。
「ドリンク代500円別でかかるとかじゃないの?」とも聞かれた。
かかりません、あと会場内飲食禁止なんですよ、と答えた。
こちらも驚かれた。(私はいつもロッカーに荷物を預ける時にお茶をがぶ飲みする。それでも公演終了まで約3時間何も飲めないのはつらい)
・キンブレ禁止じゃない
「アイマスはキンブレ禁止されてるの」
そうなんだ・・・!
48Gは逆にパキッと折るやつ(ケミカルライト)が禁止ですよ、と話したところ、現場によって文化が間逆なんだね~すごいね~とおっしゃっていた。
余談だが、こういった話をしていて大抵驚かれるのが“推しサイ文化”だ。
私は最近まで知らなかったのだが、この“推しサイ文化”はSKE48独自のものらしい。(私の記憶では、4期生加入あたりからこういう文化が出てきたかなーと思っている。)
ジャニーズなどでもそれぞれのメンバーカラーがあるのは有名だが、75名もメンバーが居たら1人1色では足りないから、2色もしくは3色メンバーが色を選んで、ファンはその色のペンライトを振っていれば「あっ、あの人は私推しなんだな」ってメンバーが気付いてくれるんだよ、という説明をしている。
驚かれると同時に、メンバーにとってもファンにとってもWIN-WINな制度ということで感心されることが多いように思う。
・チケット当落がわかるのが遅い。そもそも公演スケジュールが出るのが遅い
「おお…すごい……強気スケジュール……」
確かに・・・!(チケット代同様、このシステムに慣れきってしまっている)
AKB48の当落が公演前日の午後にやっとわかることには正直私も驚いた。(SKEは公演2日前の夜にはわかるため)
しかし、それを思うとそもそも劇場公演のスケジュール自体、判明するのが遅い。
これはNさんではなく、別の友人(ジャニヲタ)に以前ツッコまれた。
まぁ、出演メンバーが分かるのもギリギリだしね・・・遠方枠は誰が出るかも分からないまま応募だしね・・・
・入場巡がビンゴで決まる
めちゃくちゃにびっくりされた。
そんなにびっくりするか!?というくらい驚かれたので、もう少し詳しく説明してみると「ああ!そういうビンゴね!」と言われた。
?????
どうやら、開演前にビンゴ大会(ビンゴカードによる)を行なって、上がった順に入場できると思われたらしい。
もはやビンゴ大会がメインイベントだ。
ヲタク同士で「リーチは3つもあるのに~!」とか「12来い!12来い!」みたいなことをやってるところを想像するとそれも楽しくて良いかなと思った。(すごい時間がかかる)
・・・・・
少し話が逸れるが、私が初めて48Gの劇場公演に入ったのは高校2年生の時だった。
その時は入場巡ビンゴも無く、整理番号順に入場することができたので60番台で当選していた私は本来であればそこそこ良い位置を陣取れたはずだが、集合時間に遅刻してしまい立ち見の後ろの方での初公演鑑賞となった。
155cmの私の身体は立ち見エリアにすっぽり埋もれた。
劇場公演だけでなく、コンサートにも行ったことがなかった私は、公演が始まると同時に響き渡った男性ファン達の野太い叫び声、MIX、コールに圧倒されて、「とんでもないところに来てしまった・・・」と思った。
正直少し怖くて、もう来られないかもなと思った。
メンバーも、セットリストもほぼ分からない状態で行った、後悔した。
そんな悲惨な公演デビューだったのに、よくもまぁ今でも通えているなと思うし、自分にその後何が起こったのかはあまり覚えていない。
だから、Nさんには、せっかく劇場公演に行くのだから最低限の楽しんでいただく為の情報を事前に伝えねばと思った。
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Nさんに事前にお伝えしたのは、
・パジャマドライブ公演のセットリスト内容
・出演メンバー
・出演メンバー全員のキャッチフレーズ
・MIX(タイガー、ファイヤー、、)
だ。ここさえ押さえておけば、高2の私ももうちょっと、初めての劇場公演を楽しめるだろうなと思っている。
パジャマドライブ公演のセットリストは、LINEmusicにプレイリストがあったらしい。(すごいぞLINEmusic!)
歌えるようになるとか、そんなレベルまでにならなくてもいいから、少しだけでもお耳に入れておいてもらうだけで、生で観た時の楽しさが全然違うだろうなと思った。
これも個人的な思いだが、パジャマドライブ公演は非常によく出来たセットリストだし、初めて観てもらうには良い公演だなと感じていた。
最初の全体曲4曲はアイドルらしく爽やかで可愛らしい楽曲ばかりだし、「初日」のようにメンバーの気持ちを歌った曲があるのもいい。
ユニット曲5曲もそれぞれ違った雰囲気を味わえる。
そしてユニット明け3曲は、最初の4曲とはまた違うダークでリアルな女子高生、みたいな一面が見える。(ここでどのような表情を作るかがメンバーによって違っていい)
私はSKE48 teamEがこの演目をやっていた時に劇場に通っていたので、私自身もパジャドラ公演を久しぶりに観られるのは楽しみだった。
出演メンバーとキャッチフレーズは、お恥ずかしながら私もAKB48の研究生はまったく把握してなかったので、3/8公演のDMM配信を購入して(出演メンバーが3/10と一致していたのだ)覚えた。
キャッチフレーズは、どのメンバーも自己紹介前に「私が○○と言ったら、××と返して下さい!」のように説明をしてくれていたから、事前にお伝えするほどでもないかなと思ったのだが、せっかくなので全員分Nさんにお送りした。
キャッチフレーズというものは、文字に起こすとめちゃくちゃ恥ずかしいものだと分かった。
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<劇場公演に行ってNさんが驚いたこと>
・スタンディングじゃない。お席がご用意されていてしかもすごく見やすい
事前にNさんから「会場って席なしオールスタンディングって認識で合ってる?スタンディングなら荷物を最小限にしなきゃと思って」と連絡が来たので、
そうだよ、キャッチフレーズだなんだよりもそういうことお伝えしなきゃだよと反省しつつ、今回は女性枠での当選だから席は必ずあること、ただし、劇場内には袋類の持込が一切できないので、貴重品とペンライト等だけを持って入場することをお伝えしていた。
当日、女性枠のシートに座ると「女性シートとか、カップルシートとか、きちんとご用意されてるんだねぇ・・・」とびっくりされていた。
横に長い(間口が広い)AKB48劇場の中でも、センターブロックの見やすいところにその専用シートが存在していることもすごい、とのことだった。
そして、「これって始まったら立つんだよね?」と質問された。
立ちませんよ!座ったままです!と答えた。これも驚かれた、私もこの質問に驚いた。
どうやらNさんは、お席はあるものの始まったら全員立たないといけないと思ったらしい。(そういえばホールのコンサートなんかだとそういうこともあるよなぁ)
思うに、サイリウムを振り回して決まった動きをする「オタ芸」がテレビなどで有名になってしまったので、まさかああいうことを座ったままやるわけがないだろうと思われていたようだ。
「ずっと座ってられるんだ~!それなら楽ですごくいいね!見やすいし・・・」とNさんはホッとされていた。
なるほど、私が当たり前のように思っていた劇場のシステムも、初めて来た人にとっては「ありがたい!」「恵まれてる!」と思うこともあるんだなぁと思った。
・生誕祭の「ファンが執り行ってる感」がすごい
先述の通り、この日は本田そらちゃんの生誕祭だった。
整列時に、生誕祭の企画内容を記載したリーフレット・貸し出しペンライト・曲中に振るよう指示された手持ちフラッグが入った透明な袋を生誕委員さんから受け取った。
ロビーでは生誕委員の方が拡声器を使って、リーフレットの内容を口頭でも説明している。
「生誕祭って、本当にファンの人が企画してやってるんだね」とNさんに言われた。
もっと公式っぽいところが、公式っぽくやっているものだと思っておられたようで、いい意味での手作り感をいいなと思っていただけたようである。
初めて行く公演が生誕祭っていうのもどうかしらと思っていたが、そらちゃんの生誕祭を盛り上げようと大きな声で声援を送るそらちゃん推しの方々を見て、48グループならではのメンバーとファンの関係性、近さ、見守り方を感じてもらえたように思う。
・撮って出し写真の存在
「公演終わったら速攻その日の写真買えるのすごいな!?って思った!!」
「アトラクの写真か!?ってくらい終わったら速攻買えるのがすごい…」(※私達は、ディズニーのヲタク仲間なのである)
という感想もいただいた。
Nさんが、私が購入してきた300円のL版写真を見て「私も買ってくる!」とお財布を握り締めて列に並んでくれた時は本当に本当に嬉しかった。
アーティストのライブなどでもコンサートの写真を買える場合もあるが、後日会員サイトから申し込みをしないと買えないらしい。(面倒だからNさんは買ったことはないらしい)
それが、劇場から出てきて、列に並べばすぐに買える!記念になるし!良い!とのことだ。
・・・・・
Nさんが驚いていらっしゃったのはざっとこんなところである。
私としては、想定外の部分に驚かれたことが多く、一言に「コンサート」「ライブ」と言っても現場によって全然仕組みやルールが違うのだなぁと改めて感じた。
以下はNさんが公演後に送ってくれたLINEと、呟いてくれた内容である。
私の趣味に付き合わせてしまった感満載だったので、こんな風に何かを感じて、いいなぁと思っていただけたんだと思うと嬉しかった。
ちなみにNさんは小林蘭ちゃんのパフォーマンスに釘付けであった。