応援文化-SHOWROOMにハマった-
4月1日から、SKE48 9期生によるSHOWROOMが始まった。
わたしがかつてヲタクだった頃は、SHOWROOMという文化がまだ無い頃だったから、当初はやり方が全然わからず困惑した。
一時期友人が、秋葉原のナンバーワンを決める的なイベントに参加したことがあり、その時配信を見てコメントすることはあったものの、星投げなどはよくわからず、そこからまったく手をつけていなかった。
48GがSHOWROOMの利用を始めたことも知っていたが、「わたしはブログを読んで、公演に行ければそれでいいかなぁ〜」と、自分には縁遠いものだと思っていた。
そんなわたしが、利用開始からわずか2週間で、SHOWROOMの視聴に完全にハマってしまった。
4月1日の配信は何も出来ずに終わった。
画面右下の黄色い星が底を尽きたあと、ブッという音が鳴って、そこからどうしたらいいのかまったくわからなかった。
コメントは少しだけ送った。
最後にわたしの推し(ひめたん)が「壇上読みますね〜」と言って、13位から1位の人の名前を読み上げ、「ありがとうございます!」と言ってくれる。
壇上ってなんだ???
成すすべもなく終わってしまった初めてのSHOWROOMの後、「壇上」というものが何かはわからないけど、わたしもひめたんに名前を呼んでもらいたい!という思いが強く湧いた。
配信が終わると、LINEで繋がっているひめらー(ひめたんファン)の皆さんからSHOWROOMのレクチャーを受けた。
・星(応援アイテム)は、他の配信者のルームを30秒見ること、他の配信者のルームから「◯◯さんが配信中‼︎!」というツイートを自分のツイッターから呟くことの2つの方法で、手に入れることができる。
・星は各色99個×5色まで貯めることができる。
・貯めた星を推しの配信中に投げると、推しへの応援になる。
・応援アイテムは、星以外にもあるが課金制。約1円のもの(だるま)から約10,000円のもの(タワー)まで様々ある。
・推しの配信中に、どれだけ応援アイテムを投げたか+コメントをしたかでランキングとなり、上位の人は、画面上でどんどん上に行くことができる。(上位13位が壇上と呼ばれる、いわゆる最前列の場所に行くことができる)
コメントは50個までしかランキングに関係ないとか、星集めのシビアさみたいな細かい部分には触れていないが、ざっとこんなルールであった。
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その後、翌日4月2日の配信まで、自分でもいろいろ調べた。
具体的には星3周のやり方である。
配信前の準備と、配信が始まってからいかに星投げをスムーズに行えるかによって、推しの配信中に星3周(各色99個×5色×3周)を投げることが可能なのだ。
しかし、その配信前の準備と、配信中の作業がコツが必要で、どきどきしながら4月2日を待った。
結果、4月2日の配信は、数百円だけ課金アイテムも使って、9位!
何もできなかった初配信から1日で壇上に上がることができた!!!
壇上に上がったからと言って、特別なことは推しに「◯位は何々さん!」と呼んでもらえるだけ。(※4月14日の配信から、ひめたんは1位の人の名前をホワイトボードに書いて掲げるということをやるそうだが)
推しに名前を呼ばれたかったら、握手会に行けばいくらでも呼んでもらえる。
だからわたしにはSHOWROOMで頑張って、上位に行くことの良さがあまりわかってなかった。
しかし、これは楽しい!と思った。
握手会はお金を払ってCDを買えばいいだけだが、SHOWROOMは星を集めるという行動も必要だ。
推しのために時間を使って、行動ができる。
それによって、推しに名前を呼んでもらえる。
自分の「推しを応援したい」という欲望が満たされるいいコンテンツだなと感じた。
(これは、いわゆるP4UのCM選抜決定イベントも同じかもしれない)
しかし、SHOWROOMの旨味、考えられているなぁと感じる部分はこれだけではなかった。
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推しであるひめたんの要望で、数日後、わたしはSHOWROOMになるべく課金をしないことに決めた。
ひめたん曰く、「ギフト(有料応援アイテム)も嬉しいけど、だったら握手とか公演とか実際に会える場所に使ってほしい」とのことだった。
おそらくそちらの売り上げの方が、ひめたんのグループ内での序列にも影響するのだと思う。
課金をしないということは、先述の星3周を目指さねばいけないわけで、必然的にわたしは、いろんなルームの配信を30秒間見続けることになった。
この、無料の星集めの為に、興味の無い人物の配信を30秒見なくてはならない、というのがSHOWROOMの実によく出来たところだ。
30秒見ていくうちに、わたしは今まで縁もゆかりもなかったアイドルグループの女の子を気がついたら新たに4人もフォローしていた。
加えて、俳優?モデル?を目指している大学4年生男子までフォローした。(わたしをよく知る人が見たら、これがいかに凄いことなのかがわかる。それくらい、わたしは男性に興味がない)
正直、48Gは増えすぎていて、SKE、ぎりぎりAKB、各グループのスタートメンバーくらいしかメンバーを把握できていなくて、坂道、イコラブ?、ラスアイ?に関してはミリしらもいいところなのだ。
だから、どんなに可愛くてわたしが好きそうな女の子が所属していたとしても、わたしは出会いようがない。
正直、ひめたんもSKEに入ってくれたから出会えたし、好きになれた。
SHOWROOMを通して、4人も魅力的な女の子と出会えたことは奇跡的なのである。
それくらい、現在この世界には星の数ほどのアイドルがいる。
SHOWROOMの星集めの為の30秒は出会いのきっかけなのだ。
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もうひとつ、わたしが印象に残ったことがある。
先ほど、ありえないこととして書いたわたしが初めてフォローした男性配信者である。
彼のルームへも、星集めの30秒のためだけに訪れ、30秒後には抜けるつもりだった。
しかし、30秒間で、彼は「この人を応援したいな」と思わせる力を持っていた。
正確には、彼と、彼のルームのリスナーが、だ。
まず、彼は頻繁に視聴者の数を読み上げ、「◯◯◯人の方々、見てくださってありがとうございます!」と感謝を伝えていた。
SHOWROOMは、どこから出てきたんだ?というくらい大量のリスナーが見ている。
例えば、わたしの推しのひめたんは大抵2000人〜4000人近い。
そうなってくると、自分は有象無象の中の1つみたいな気持ちになる。
だが、彼はこうやって見てくれている人数を読み上げる、しかも頻繁に。
人数が増えるとすごく喜んでくれる。
そのことで、「自分が見ていることが、彼の元気になっているのだな」と感じられて、視聴を続けたくなる。
また、彼はコメントをほぼ全部拾って読んでくれていた。
今まで48Gの配信ばかり見ていたから、無料の星投げやカウント(50個コメントを送ること)は当たり前のことなんだと思っていたし、実際、メンバー達は有料ギフトを送ったときくらいでしか名指しで「ありがとう」とは言ってくれない。
それが当たり前だと思うし、いけないことだとは思わない。
だが、彼は星1周(99個×5色)を投げただけ、50カウントしただけでも心からのお礼を名指しで述べてくれる。
また、わたしが驚いたのは、彼本人だけでなく、そのルームにいる彼のファンまでも「◯◯さん、50カウントありがとうございます!」などとお礼のコメントをしてくれるのだ。
誰だこいつ、見たことない名前だな!初見のくせに!とか言われないんだ、、と感動した。(わたしがひねくれているのかもしれない)
SHOROOMにはイベントというものが頻繁に開催されていて、応援アイテム(星・ギフト)とコメントでポイントが付き、その上位がアバターが作れる、広告に出られる、舞台に立てる、など様々開催されている。
彼はそのイベントに参加中で、1位に入れるか入れないかの瀬戸際だったので、ファンとしてはわたしのような一見でも、ありがたいと思ってくれるんだと思う。
そんな彼と彼のリスナーの温かさに触れ、イベントでぜひとも1位を取ってほしいと思い、そこからわたしは彼をフォローし、時間が許す限り配信を聞いて、星投げやカウントをしている。
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今日のブログのタイトルは、「応援文化」とした。
わたしは、実際にSHOWROOMを本格的にやってみるまで、SHOWROOMは苦手だろうなと漠然と思っていた。
例として的確かどうかはわからないが、東京ディズニーリゾートで貰えるバースデーシール。
あのシールを付けてパレードを見ているときの気持ちに似ている。
バースデーシールを付けてパレードを見ていると、時々キャラクターやダンサーさんがシールに気付いて、「お誕生日おめでとう!」と声をかけてくれたり、手を叩いてお祝いする仕草をしてくれる。
その経験はとても嬉しいのだが、一度そういう体験をしてしまうと、翌年から「バースデーシールを付けていることに気付いてもらえるかどうか」が気になって、ドキドキしてしまって、パレードそのものを楽しめなくなってしまった。
こちらとしては、そのシールを貼っているから、図々しくもお祝いしてもらえる期待をしている。
逆に、そこでシールに気付かれず誰にもお祝いしてもらえなかったら、がっかりしてしまう。
そのがっかりはとても怖い。
反応厨め!と言われてしまうかもしれないが、人間、一度経験した幸せは二度目もあることを期待してしまう。
SHOWROOMもわたしは同じことが起きる予感がしていた。
コメントを読み上げてもらえたら嬉しいけれど、自分のコメントが全然読まれず、推しが他のヲタクとばかり楽しくおしゃべりしていたら・・・他のヲタクの名前ばかり呼んでいたら・・・そう思うと、「推しと一部のヲタクだけが楽しい配信を見せられるのなんてやだ」と思い、嫉妬深いわたしSHOWROOMは合わないと思っていた。
確かにSHOWROOMにはそういう側面もあった。
しかしそれ以上に、「推しとファンが団結して盛り上がれること」「偶然の魅力的な配信者との出逢い」を生み出すしくみがあって、「応援すること」が大好きなヲタクという人種にはとても親和性の高いツールだった。
ヲタクは、「推しに課金すること」も大好きだからSHOWROOM側にもメリットはあるし、配信者は配信者で熱心なファンを獲得することができるし、SHOWROOMが生み出す新たな出逢いによってファンも増えそうだ。
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余談だが、わたしの住む地域で選挙が行われている。
先日、「本人」と書かれた旗を掲げて歩く候補者とすれ違ったので、「寒いけど頑張ってくださいね」と声をかけた。
候補者は、曖昧にへらっと笑うだけだった。
えっ!?それだけ???と思ってしまった。
推し事を通じて、わたしは「応援すること」に慣れすぎた。
こちとら、アイドルや配信者さん達の神レスをいつも受けているのだ。
政治家も一度、SHOWROOMをやってみたらいいのに。